【6月26日(月)】
天気は晴れ時々霧、曇り。
出発するために、アルベルゲの廊下を通り、入り口にあるカフェスペースを通り抜けようとしたところ、ソーフィがクロワッサンとカフェコンレチェで朝食を取っていた。
挨拶をして、彼女のテーブルの向かいに座って、おしゃべりした。
彼女はブルゴスから巡礼をスタートしたそうだ。
そして、他の知り合った韓国の方と同様、彼女も仕事を退職して巡礼にきていた。
ニコニコして穏やかで話しやすい人。
連絡先を交換して、また会おうねと言って先に出発した。
朝日が登る中、一人で歩き出す。
私の朝食はこればかり。
そしてこのバルで休憩中に、日本人のYさんが歩いているのを見かけた。
Yさんも私を見つけて声をかけてくれた。これで再会したのは3回目。
世界一周中にスペイン巡礼をしているYさん、以前よりもさらに清々しい表情。
やっぱり歩くことは、いいことなんだろう。
20代のYさんとは、巡礼スタートの街から歩いて二日目に道の途中で出会い、
お互い日本人であることで日本語でおしゃべりしながらパンプローナまで一緒に歩いた仲間だ。
それから別々に出発したが、レオンの街でも会えた。
「また会えると思うから」と軽く言っていた彼とは、今日ちゃんとまた会えた。
みんなサンティアゴ・デ・コンポステーラにゴールする1日前に。
Yさんはフィステーラまで歩くことを決めていた。
私の次の目的地の街よりも、さらに遠い街まで歩くとのこと。
「あの日本人二人組みにも会った?」などとお互い情報交換。
途中で、前を歩いていたソーフィとも合流して3人で歩く。
巡礼に来るまでにはどんな仕事をしていたのかや、
巡礼にきた理由など三人で歩きながら話した。
ソーフィは、日本に来たことはあるのか、
Yさんは韓国に行ったことはあるか、
今までどんな国に行ったことがあるか、
そんなことを話していると、ソーフィが友達になったイタリアからきた若い男子二人組ともタイミングが合い合流。
5人で森の中を一緒に歩いた。
それから30分か1時間ほど歩いただろうか。
道の分岐点が見えてきた。
Yさんも、イタリアの二人組も、次の町へ向けて歩いて行った。
私とソーフィはアルベルゲに向かって彼らと反対方向に歩き出した。
ソーフィが予約しているアルベルゲが先に見つかる。
明日は朝5時に出発しようと思っている私に、ソーフィが「時間を合わせるから一緒に歩こう」と言ってくれた。
私はそこからさらに10分ほど歩いてアルベルゲに到着した。
私のアルベルゲは、ちょっと狭くて、暗くて窮屈なところだったけど、
1日くらい、寝るだけだから問題なかった。
シャワーも狭くて不便だったけれど、もう、明日にはサンティアゴ・デ・コンポステーラにゴールするのかと思うと、心も体も放心状態のようになっていた。
電子レンジしかない宿だった為、夕食はパンとかヨーグルトで簡単に済ませた。
とうとう、明日がゴール。
それなのに、なんだか腑抜けた感じになっていた。
きっと、明日のゴールが終わっても、まだ旅の途中だし、私は今回、8月10日までヨーロッパを周遊、放浪する予定だから。
スペイン巡礼は明日がゴールで終わるけれど、旅の先があるので、まだ続く。
それに、フィステーラまで歩いて行くかバスで行くか、心も定まらなかった。
体が、もう歩きたくないと言っている。
サンジャンピエドポーからずっと歩き続けて、フィステーラまで歩く日本人の巡礼者たちはすごいなあと感心する。
【アルベルゲ】
・10ユーロ