スペイン巡礼:【Day 29】Rabanal del Camino → Molinaseca ( 25.9 km)
【6月17日(土)】
天気は晴れ。
朝食をとって、7時に出発した。
今日からザックは軽い。
荷物の転送サービスの利用を開始した。
水や雨具などは持ち歩き、お風呂セットや着替えなど歩いている時には使わないものはサブバックに入れて次の街のアルベルゲへ送った。
上り坂も前より辛くない。
やはり荷物が軽いと、歩くスピードも早くなる。
ここで3週間ぶりに再会したドイツ人の男性。ローランドさん。
3週間前はもっと歩くのが遅くて、足が悪い人なのかと心配するほどだったが、
この期間の間に体の贅肉が落ち、引き締まり、表情もすっきりして、目ヂカラが強くなっていた。
この3週間で、彼に起こった変化は肉体だけではないのだろう。
内面も変化したに違いない。
巡礼が彼を変えたのだろうか。
そうとも考えられる。
でも、もともとの彼がこうだったんだとも言える。
本来の自分を取り戻したんじゃないだろうか。
力強く歩いていく彼を見て、驚きとともに、感動もした。
「僕はStupidだった。次に歩くときはもっと荷物を減らす」と言っていた。
この先に、噂の鉄の十字架が見えてきた。
ここまでは全く疲れもしないくらい順調に歩けた。
やっぱりザックが軽いのは、いいことだ。
ここで70代のSさんと再会。(7回目の再会)
こんなポイントでも会うんだ。
Sさんも、まさかここで私がまた来るとは思ってなかっただろう。
びっくりしていた。
少し休憩した。
Sさんは次の街で泊まる予定。
私は、Molinasecaを目指して歩く予定。荷物の転送サービスを開始すると、
目的地はもう変えられない。
また山の中を歩くような道が続く。
ここらあたりは、ずっとこんな山の景色が続いた。
人っ気のないこんな山道に寄付制の無人お店。
誰がいつ運んだのだろう。
前後にはほとんど巡礼者がおらず。
ヴァレリーがいてくれたことに感謝です。
彼女がいてくれなかったら、方向音痴の私はどうなってたかわからない。
彼女は天使なのかも。。。
一体、この景色の、どこに街があるというのか。
この辺りに人の生活が出てくるのか。
あと何キロ残ってるのか。
iPad miniで地図や距離を確認した。
やっと現れた街。
ここにすべきだったと後悔。
まだ先を行かなければならない。
しばらくバルで休憩した。
まだまだ先を行かなければならない。
巡礼者が他に歩いていない。
アップダウンの道を何度も何度も通り過ぎる。
一体、私たちの街はいつ見えてくるの。。。。。
どこに街があるんだろう。。。。
灼熱の太陽は、照り返しも半端なく、顔が暑くてヒリヒリする。
バンダナを顔に巻いて歩くしかないほどだった。
ペットボトルの水もまるでお湯のようにぬるい。
巡礼を初めて、大きな雷や、真っ暗闇など、恐怖を何度か体験しているが、
この道で、死の恐怖も少しだけ感じた。
体力がない、水もないような状態だったら、、、、
脱水症になったりして、死ぬ可能性もあるほどの過酷な道だった。
この道を体験したことによって、またカミーノ絶対歩きたいという気持ちが湧いてこなくなった。
それくらい私にとって破壊力のある道だった。
喉元過ぎれば熱さ忘れる部分はあるけれど、この道はもう2度と歩きたくない。
一人だったらと思うと怖い。
やっと街に近づいた。
み、水辺がある!
それだけで、ありがたく感じた。
巡礼者や観光客たちが日陰でのんびりしていた。
アルベルゲは、街の出口の近くで、入り口からだいぶ歩かなければならなかった。
ぐったりしてアルベルゲのソファに座り込む。
手続きして、ベッドを確保した。
シャワーを浴びて洗濯する。
スーパーへ行くついでに散歩する体力はまだ残っていた。
ヴァレリーは甘いものが欲しかったようでシュークリームを二つ買った。
私はパウンドケーキ2個と、緑茶の葉っぱを購入した。
アルベルゲのディナーは美味しかった。
レンズ豆のスープとパスタとサラダ。
この宿にはたくさんの巡礼者がいた。
フランスからの自転車チームや、若い巡礼者グループもいて、みんな元気だった。
【アルベルゲ】
・7ユーロ
当時の日記です。