スペイン巡礼:【Day 21】Carrion de los Condes → Ledigos (23.4km)
【6月9日(金)】
天気は晴れ。
6時15分にアルベルゲを出発した。
Carrion de los Condesの町は好きだった。
昨日の川のほとりで、クラウディアとピクニックをした場所を通り過ぎる。
昨日は6kmしか歩かず、一日のんびりしてリフレッシュできた。
今日の道は、17〜18kmの距離の間、何もないという噂のメセタの道を歩く。
飲み水は、重くなりすぎない程度の量にした。
町を抜ける前に、ATMでキャッシングをトライしたが、先日からエラーとなってユーロ紙幣を引き出せない。
このクレジットカードのキャッシングの使用枠はまだもう少しあるはずだが、為替などの関係で、使用枠いっぱいまでは引き出せないのかもしれない。
そうなると、1回引き出すのにATMの手数料が3ユーロ〜5ユーロ取られたりするので、引き出す時はある程度まとめてユーロ紙幣を引き出したい。
仕方なく、別のクレジットカードでキャッシングした。
後日、巡礼が終わってリスボンにいるときに、前者のクレジットカードの会社に公衆電話からコレクトコールで連絡すると、カードの支払いが完了後にキャッシングできると言われて、その通りだった。無事にユーロを引き出せた。
カリオン川。
町を抜けると、何もないメセタの大地の風景が広がった。
すぐにバルがあった。
特に用事もないので、素通りすることにした。
まだまだ始まったばかり。ゆっくり休憩する気分になれない。
大小の大きさのカタツムリが沢山いる道がしばらく続いた。踏まないようにして歩いた。
ただひたすら歩くのみ。
巡礼者は少なめ。
時刻は10時半。
途中、道端で少し休憩をしながらも4時間程歩いて、Calzadilla de la Cuezaという町が見えてきた。
日中の暑さが厳しくなるのは10時半以降。
これからどんどん暑くなるだろう。
バルで休憩する時間も惜しんで、トイレを借りてすぐに次の目的の町、6.2km先のLedigosへ行くことにした。
やはり陽射しが容赦なく暑い。
ぬるくなった水を飲むが、喉の乾き感がなくならない。
汗もでて、歩くのがしんどい。
さっきのバルで休憩していない分、道を歩いている途中に2回も3回も木陰で座りこんだ。
足の裏がじんじんとする。荷物の重さがこたえてくる。
冷たいジュースが飲みたい。
あと1時間くらいだから頑張ろう。
12時半頃、Ledigosの町に到着した。
公営と私営のアルベルゲが1つずつあった。
公営のアルベルゲは7ユーロくらいで、ベッドが狭そうだった。
ただしキッチンは広く、スタッフも明るそうで、遠くから挨拶してくれた。
私営のアルベルゲがすぐ近くにあったので、見てからどちらかに決めよう。
私営のアルベルゲは、リーゼントヘアで細身のジージャンを着こなした男性と、黒色のロングヘアーでTシャツとジーパンが似合っているナイスバディな美人がテキパキ仕事をしていた。
この町はスーパーもない田舎だけど、都会にいるような雰囲気の2人だった。
オープンカフェではBGMの音楽が音量大きめに流れており、地元のおじいさんが美味しそうなトルティージャをカウンターで食べていた。
トルティージャが美味しそうだし、明るく清潔そうなので、もうこっちにしよう。
早くザックを下ろしてとりあえず休みたい。
宿泊の希望を告げると、リーゼントの男性がすぐにテキパキと書類を準備し、サインして料金を支払い、部屋へ案内してくれた。
一番乗りなので、好きなベッドを選べた。
シャワールームも清潔、全てに大きな窓があり、風も通るし清潔。
他の巡礼者がきて混む前にシャワーも終えて、休んだ後に、町を散策した。
教会のある高台へ行くと、町は本当に小さくて何もないのがわかる。
スタッフが言った通り、スーパーもない。
地元の人たちは、隣町まで買い物に行っているのだろうか。
こんな暑い日中は、みんな家の中で過しているのだろう。
いいところにベンチがあった。
ベンチで座ってぼーっとしていたら、杖をついた、ぽっちゃりした体格のおじいさんが歩いていた。
「オラ〜」と挨拶しあった。
おじいさんは優しい笑顔で
「スペイン語はわかるかい?」「どこから来たんや?」とたずねてくれた。
「ソイ デ ハポン (Soy de Japón)」と伝えた。
何やら、ゆっくりしたスペイン語で話してくれているけど、完全には理解できない。
おじいさんはベンチの斜め後ろで立ったまま、町へ入ってくる巡礼者の1人を見つけ、前方を指差して、「ほら、仲間がいるよ」と言った。
私はうなずいた。
しばらく無言でその巡礼者を高台から眺めた。
がんばれよ、といったような感じでゆっくり階段を下りて帰って行った。
アルベルゲのトルティージャ。1.5ユーロ。
じゃがいもが入ってて美味しかった。
コーヒー味のアイスクリーム。
3ユーロ。こういうスイーツを食べるは久しぶりすぎて嬉しかった。
お土産のショーウィンドウ。
テンプル騎士団の十字のマークが焼き付けられたキーホルダーが目にとまった。
このキーホルダーのシリーズは他のお土産屋さんでもよく見かけたが、テンプル騎士団の焼き印は、ここだけしか売ってなかった。
ここでお土産を1つ買った。
リーゼントとは違う別の男性スタッフにお金を払った。
「お土産への包装か、袋は?」って聞いたら、そういうものはないようで首を横に振って、忙しそうにもとの仕事場に戻って行った。
このアルベルゲはホテルに併設されているため、少ないスタッフでホテルの仕事もし、おまけにレストランでは調理、ベッドメイキングなど、猫の手も借りたい状況なんだろう。
このモホン (Mojón) と呼ばれる、道しるべの石碑も気になった。
ここで買わなくてもきっとサンティアゴ・デ・コンポステーラにはいっぱい売っているだろう。
アルベルゲのベッドには、韓国からそれぞれ1人ずつ巡礼を歩きに来ていた男性1名と、女性2名がグループで歩いていて、私のベッドの隣にきた。
自己紹介しあった。
Carrion de los Condesでも見かけた3人組だった。
男性は仕事で30回以上は日本にきたことがあったそうだ。
韓国の3名ともそれぞれが仕事を辞めて、カミーノを歩いている時に出会ったそうだ。
たわいないおしゃべりをした。
男性の名はチョンさん、女性の名はチョーさん。
もう1人の女性の名は失念した。
チョンさん、チョーさんという名前が多い。
その後は1人で中庭でヨガをした。
メセタは暑すぎる。明日も早めに出発しよう。
【アルベルゲ】
・8ユーロ
当時の日記です。