ブライアン・ワイスの「前世療法2」
ブライアン・ワイス氏の「前世療法」は主にキャサリンという患者との出会いと、
彼女の治療とその経過について書かれていました。
過去記事はこちらです。
「前世療法2」は、キャサリン以外の患者たちの退行催眠で、
過去世の記憶を思い出した内容をたくさん紹介しています。
輪廻転生や臨死体験などに関する文献や話も紹介しています。
ワイス氏は1年以上に及ぶ従来の治療法では回復できないキャサリンの重い症状のために、催眠術によって幼少の記憶を思い出させていきました。一般的に治癒してもおかしくないのに彼女は一向に良くならなかった。
彼女の潜在意識の深いところにまだ隠された精神的な傷、トラウマがあるに違いないと判断した。
それまでのキャサリンへの催眠術で、
- プールへ突き落とされて溺れて息ができなくなったこと、
- 歯医者でマスクを顔に乗せられてびっくりして息ができなくなったこと、
- 3歳の時に父親に性的虐待を受けており、騒がないように手で口を抑えられていたことまで思い出すことができていた。
この他のトラウマを思い出させようと深い催眠状態に導いたところ、
およそ4000年前の古代中近東の人生に戻ってしまった。
その人生では、津波で抱いていた赤ん坊を失くし、自分も溺れて死んだことを思い出した。
その他にも2つほど過去世を思い出したという。
それまでの数年間、ワイス氏は何百人もの患者に催眠療法を行ったが、過去世の記憶まで戻ったのはキャサリンが初めてだった。
その後、彼女の病気は完全に治ってしまった。
ひどい不安や根深い死の恐怖から解放され、幸せで楽しい人生を送っている。
医者、弁護士、会社役員、セラピスト、家庭の主婦、行員、セールスマンなど、宗教的背景、社会的地位、教育レベル、信条も様々な人たちを退行催眠によって過去世を思い出したという。
瞑想中や、強烈なデジャブ、夢の中で過去世を見る人もいる。
過去世を思い出すことにより、患者の多くは
- 恐怖症
- パニック
- 悪夢
- 理由のわからない恐れ
- 肥満
- 対人関係不適応症
- 肉体的な苦痛や病気
- 脅迫的な性的衝動
- 反復強迫観念
などから解放されていった。
何回もの過去世で、様々な形で繰り返されていることなったトラウマのパターンがある。従来の治療を受けても効き目がない患者は以下のような過去世がでてきた。
- 近親相姦が何世紀にもわたり続き、今生でもそれがもう一度繰り返されている
- 暴力的な夫が、今生では暴力的な父親として現れている
- アルコール中毒によって過去世で何回も破滅していた
- 不仲な夫婦が4回もの過去世で互いに殺し合っていた
過去世に心の傷がある患者への退行催眠の有効性
過去世で起こったトラウマを見つけ出して意識化する必要がある
病気の根本原因が意識の奥底に隠されたままだと、病気は必ず再発する
根本原因が明らかになった時に初めて、本当の癒しが始まり治癒する
セラピストは患者の病歴を調査し、患者に質問して答えを引き出し、需要な事柄について詳しく具体的に知る作業に十分時間をかける。
事前の準備が退行催眠の成功率を上げる。
催眠中に導きだされた感情や気づき、情報などを現在の状況と統合させることも必要。
この統合の作業は、かなり高度の専門的知識と経験が必要。
医師の資格のある人から受ける方が望ましい。
専門的なセラピストに依頼した方がいいとのこと。
自分自身で、リラックスして、瞑想の手法を取り込んで、過去世を見ることができる。
潜在意識は賢いので、表層意識が受け入れられない記憶まで呼び覚ますことはない。
(過去世を見る必要がない人は、みたいと思わないだろうし、どんなにトレーニングしても見れないと思われる)
瞑想は誰にでもできる簡単なリラックス方法
- 日常生活に役立つ
- 不眠症
- 高血圧
- 減量
- 禁煙
- 免疫力の強化
- ストレス解消
- リラクゼーション
- 精神的安定
幼い頃に受けた虐待の記憶を心の底に閉じ込めたケース
- 大人になってからの人間関係で、喜び、満足感、親密感などを味わう能力を失ってしまう
- 隠された痛みを再体現するのを恐れている
- 他人と親密な関係になるのを避ける傾向がある
- 虐待の傷から自分を守る為に女性が自分の肉体的な魅力を隠す為に太りすぎたりする
- 信頼するという感覚が損なわれる
深刻な自己喪失、自信喪失の原因は、子供の頃の虐待が原因であることが多い。
自己主張ができず、自分を守る能力に欠け、自分は人から尊敬され愛され正当に扱われる権利があると感じることができない。
虐待した親を理想化する為に、自分自身がいけない人間だったんだと思い込もうとする。
こうした虐待が今生ではなく、過去世での人生で受けた場合も影響するという。
虐待された被害者は、記憶が呼び覚まされてくる以前から、かすかに虐待された記憶を持っている。
また他人と親密になれないという症状として現れることもある。そして必ず強い不安感を伴っている。
夢の中や、ぼんやりしている時に感ずる恐怖心や、とらえどころのない断片的な記憶が、実は抑圧された子供時代の心の傷とすべて関連していると気がつくようになる。
癒しの過程で決定的に重要な要素
虐待の記憶が、本当のことだと受け入れること。
なんとなく気配は感じてはいるものの、記憶がはっきりしない間は、具体的に何を悲しみ、何を解放すればいいのかわかりません。
しかし、記憶を思い出すことにより、急に軽やかな場所に飛び出して、大きく成長することができる。
理由のわからない恐怖心に怯えているだけでは、病気はよくならない。
理由がわかれば、怒りの感情が急速に理解へと変化できる
理由やパターンや原因を理解した時、私たちはそれまで何度も繰り返してきたドラマを再演しなくてもすむようになる。
同じドラマを繰り返したり、苦痛を味わう必然性から、自分を解放する。
そして調和と喜びに満ちた幸福な人生を選択する。
心の傷からくる肥満のケース
ある女性は、25kg太り過ぎていた。何年も減量に努力するが、効果はなかった。
食事療法である程度まで体重が下がると、今度は心配になり、あっという間に体重が元に戻る。
彼女は目立つタイプの女性だった為、自分がスマートになると男を惹き付けてしまう恐れがあるのではないかとセラピストの1人は考えました。
しかし精神療法も他と同様に効果がまったくでなかった。
退行催眠したところ、
彼女は2〜300年前、若いアメリカンインディアンだった過去世を思い出した。
その時、彼女は他の種族の男に略奪された。
彼女のすばらしい美しさに魅せられて、男は彼女に目をつけた。
彼女はさらわれ、犯され、障害者にされてしまった。
殺されはしなかったが残りの人生を苦しみと悲痛のうちに過した。
彼女はもう二度と美しくはならないと決心した。
そしてアメリカンインディアンだった彼女は太りました。
今生で、彼女は肥満であることを引きずっていた。
セラピストは正しかった。患者は痩せて美しくなることをこわがっていた。
美しくなると、見知らぬ男の注意を引くから。
現在の夫とも長く付き合った後に結婚していた。
この退行催眠で、今まで治らなかった肥満が治りました。
そして死を恐れなくなったという。
4年経過したあとも体重を維持していた。
ガンを恐れている人が、健康な証拠と思い込んで肥満になることもある
体重が増えれば危険を察知する感覚が鈍くなり外界の衝撃から自分を守ってくれる様に感じる人もいる。
虐待や暴力を受けたときの傷が肥満の原因の人もいる。
薬物中毒の患者のケース
- 自分の問題が「ずっと前からあった」と心の底で気づいている
- 薬物中毒になりやすい性向自体が、過去世から持ち越されている場合がある
- 薬やアルコールの力を借りて忘れたいと思っている問題が、過去世から持ち越されているものである為、ずっと前から永遠にあったと思い込んでいる
- 自分を守る必要があると思っている
肥満の症状と、薬物中毒の症状の共通点
- 他人から受けた傷と、自分との間に壁を作ってくれるように思う
薬物中毒の患者の傾向
- 自分で自分の人生の責任をとらなくてすむ
- 失敗や失望、誤りなどを現実として受け入れ成長の糧にする代わりに、中毒を言い分けに使う
- 責任回避や現実逃避が多い
- 薬物中毒は感情や記憶を抑えこむ働きをしてくれる
- 感覚を麻痺してくれるので緩慢な自殺行為
- 自殺と同様に、耐え難い問題から逃避する
過去世退行をすると、過去世で自殺をしたことを発見し、その時に回避しようとした問題が再び今生でしつこく浮上していることを知る。
今度は逃避の仕方が、ゆっくりした自殺という薬物中毒への逃避になっている。
根本問題と薬物の罠の両方から抜け出す唯一の道
その両方に真っ正面から対決し、精神的かつ現実的なやり方で解決を図ること。
怒り、暴力、が原因となっている人もいる。
ワイス氏は、アルコールや薬物の解毒期間が過ぎた患者しか、退行催眠はしないという。
夢で過去世を思い出す
夢日記をつける。
夢は、過去世のヒントを与えてくれる。
夢の記録のつけかた、瞑想方法、自分でする退行催眠の方法も書かれている。
アメリカでは800万人以上が臨死体験をしていた
- 通常、死に近づくと、自分の身体の上に浮かんで、自分を生き返らせようと努力している人々の姿を眺めている。
- 明るい光や神々しい姿、亡くなった親類などが遠くにいるのに気づいたりする。
- 音や音楽が聞こえて、トンネルや光、人の姿の方へ抜けていくこともある。
- 痛みはない。
- 深い平和と歓びの感覚で満たされている。
生まれ変わり、輪廻転生を信じる人が多くなった。
どんな理由があろうとも、わたしたちは他人の命を奪うことは許されない。
過ちを犯せば、必ず自分で刈り取らなければならない。
それが何個先の未来の人生で向き合うのかは神のみぞ知る。
私たちの肉体が死んでも、私たち自身は死なない
肉体は滅んでも、生き続けている
魂は不滅
・・・・とこのようなメッセージが含まれた本でした。
ブライアンワイスは、キャサリンという患者と出会うまではカチコチの左脳派の医者だったそうですが、治療や研究からこのような確信と信念を持ち、現在も人々の悩みや苦しみが癒されるように世界中でワークショップを開催しています。
前世療法―米国精神科医が挑んだ、時を越えたいやし〈2〉 (PHP文庫)
- 作者: ブライアン・L.ワイス,Brian L. Weiss,山川紘矢,山川亜希子
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 1997/04
- メディア: 文庫
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ブライアン・ワイスの「前世療法」
ブライアン・ワイス氏は、両親の愛情に満ちた家庭で生まれ育ち、学校の成績も良く、大学生の時には精神科医になることを決めていた。
幸せな結婚生活、2人の子供をもち、仕事も順調だった。
ワイス氏はなぜこの本「前世療法」を書こうと思ったのか。
ある日、シャワーを浴びている時に、これ以上もう隠しておいてはいけないと強く感じたという。
ブライアン・ワイスとは
コロンビア大学を卒業し、エール大学大学院医学部で医学博士号と取る。
同大学院精神医学課で専門医学実習を修めた後、いくつかの有名な医科大学で教え、精神薬学、脳化学、不眠症、うつ病、不安症、薬物中毒による精神障害、アルツハイマー症などに関する40以上の論文を発表した。
本の出版は「コリンの働きに関する生理学」と題する一冊だけだった。
本人は自虐的に述べている
「コリンの働きに・・・」の本は不眠症の方が読めば眠くなるという効用はあったかもしれないが、この本はほとんど売れなかったと。
自身はコチコチの左脳人間で研究熱心だったし、超心理学のような「非科学的」な分野は完全にバカにしていたし関心も向けてこなかったとのこと。
過去世、輪廻転生について何もしらないし、知ろうとも思わなかった。
マイアミビーチにあるシナイ山医療センターの精神科部長になり、1年ほど経ったある日、ワイス氏が出会った患者が、キャサリンという女性でした。
1980年 キャサリンとの出会い
キャサリンは、不安感、恐怖感、強迫観念、うつ病、悪夢に悩んでいた。
2人の知人の医師から「ワイス氏の治療を受けなさい」と紹介されていたが、本人はワイス氏に会うまでに2ヶ月もかかったという。
キャサリンとは
神経症と強迫観念に悩み、助けを求めていたが、ひどく落ち込んでおり、感情的な動揺が激しく、日常生活も仕事もうまくいかなくなっていった。
恐怖と強迫観念は悪化していき、周囲からも彼女が不幸そうで神経が高ぶっているため声をかけようと思ってもためらわれるほどだった。
他の顔見知りの医師が彼女を見かけて「なるべく早くワイス氏に会いなさい」と強く言った。その医師はあのとき、なぜ自分がそんなに強く勧めたのか驚いたという。
ワイス氏がキャサリンの治療を開始
18ヶ月の間、彼女の症状を改善させるために従来の様々な治療法を試みたが、どれも功を奏しそうになかった。
ワイス氏は催眠療法を試すことにした。
キャサリンに出会ってから、ワイス氏には信じがたい事象が起き、魂は死なないことを知った。
「前世療法」の本を出すまでに4年かかったという。
学会でまだ認められていない情報を公表することに勇気が必要だった。
真面目に努力し研究を続け、患者の治療に励んでいたが、科学で証明されていない事象を公表することで、これまでのキャリアも地位も全て失くす恐れがあった。
キャサリンの症状
- 緊張して神経質
- 早口でしゃべり前屈みに椅子に座っていた
- 恐怖でいっぱいで、水が怖かった
- 息が詰まるのではないかと恐れて、錠剤を飲み込むことができなかった
- 飛行機に怖くて乗れなかった
- 暗闇が怖かった
- 安心できるようにとアパートとの戸棚で寝ることもあった
- ベッドに入っても数時間眠れなかった
- 眠りが浅く断片的で何度も目を覚ました
- 悪夢に悩まされた
- 寝ぼけて歩き回る子供の頃のくせがでてきていた
ワイス氏は、これらの症状の根本原因を探る。一般的には子供時代の出来事を思いだすことで苦悩から解放されるという。
キャサリンの恐怖の記憶
- 彼女が5歳の時、プールの飛び込み台から誰かに突き落とされたこと
- 11歳の時、母親がうつ状態になり家族とうまく話ができなくなり精神科医へ行き、電器ショック療法を受けた結果、記憶力が著しく低下
- 父親が長年のアルコール中毒だったので、両親のいさかいが激しくなっていた
- 母親は次第に暗く、黙りがちになった
キャサリンは家の外ではうまくやっていたが、人を信頼できないことに気づいていた。
彼女は特にこだわった宗教心も信仰ももっておらず、輪廻転生の概念すら知らなかった。
高校を卒業後、検査技師の資格をとり大学付属病院で働いた。
子供が2人いる既婚男性(積極的で力強いタイプ)と付き合い6年が経っていたが2人の関係は燃えさかっていた。彼から酷く扱われているのに彼女は彼にさからえず、別れなかった。
彼女は回復たあと、当時の自分を冷静に分析している。
当時付き合っていた彼氏とは関係を終わらせるべきだったのにできなかったこと。
女友達(キャサリンが人を信頼するようなことを言うと、必ずその人の悪口を言って、不信感を持たせるという)がいたが、自分に悪影響を与えている人とは距離を置いた方がいいのにできなかった。
幼少の頃から怖い思いや辛いことを経験したのね・・・とわかるが、普通なら回復してもいいはずなのにキャサリンはすぐには回復しなかった。
ワイス氏はなぜ回復しないのかわからなかった。
「退行催眠で現在の症状の原因となっている過去までさかのぼりなさい」と指示した後、キャサリンは過去世の記憶とつながり、その時にどのように死んだのか、どのような生活だったか、匂い、感触、手触り、体温などリアルに思い出しながら語り始めた。
過去世を思い出すこと。
それだけで、キャサリンはどんどん回復していった。
このキャサリンは回復しただけでなく、より健康的で魅力的な女性に変わっていった。
本来持っている彼女の美しさが見事に輝いていったそう。
穏やかで、幸福感があり、治療中にマスター(精霊)からのメッセージをワイス氏に伝える媒体となったがために、以前よりも直感も鋭くなった。
人を信用できるようにもなった。
そして、何よりもこのキャサリンという患者にであったことで、
ワイス氏本人がもう元には戻れないほど変わってしまったという。
reincarnation
生まれ変わり、輪廻転生という意味の英単語。
この英単語との出会いがきっかけで、ブライアンワイスの本を知りました。
本の紹介
前世療法―米国精神科医が体験した輪廻転生の神秘 (PHP文庫)
- 作者: ブライアン・L.ワイス,Brian L. Weiss,山川紘矢,山川亜希子
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 1996/09
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「前世療法2」に続きます。