スペイン巡礼:【Day 1】St-Jean-Pied-de-Port → Roncesvalles (26.5km)

【5月20日(土)】

とうとう一番不安のピレネー越えの日の朝を迎えた。

天気は曇り。

これさえ終わってくれたら後は楽だろうと思う。

私のスケジュール

  1. ペンションを早朝の5時にチェックアウト
  2. 巡礼のスタート地点であるノートルダム門まで歩く(約3km)
  3. 朝6時前から巡礼スタート
  4. 夕方までにはアルベルゲに到着したい

他の巡礼者達も歩いているだろうから道に迷うこともないだろう。

早朝5時は日の出前なのでヘッドライトを着けてペンションから歩く予定だった。

ただでさえ今日は長い距離を歩くのに、中心地から離れたペンションに宿泊したから他の巡礼者より3km多く歩かないといけない。

でも2泊してゆっくり観光もできたから頑張るつもりだった。

 

時差ボケで朝4時過ぎに目が覚めたので、前日に宿のマダムにお願いしていた朝食のパンを取りに行くと、マダムがいつものように朝食を並べて待ってくれていた。

私は前日、google翻訳でフランス語に訳したメモを彼女に見せながら、

「朝食はパンだけテーブルに置いておいてくれたらいい。5時に宿を出る」と伝えてたけど、彼女は私に一生懸命に何かをジェスチャーで伝えてきていた。

ジェスチャーの意味が、当日の朝になって理解できた。

 

彼女は私の為に早めに朝食を用意し、朝食を食べ終わった私をノートルダム門まで車で送るつもりでいてくれたのだった。

彼女は、”ピレネー越えをするんだから、しっかり朝ご飯は食べて行きなさい”としきりにジェスチャーで訴えていたのだ。

フランス語がまったくわからない私には意味が通じていなかった。

口数は少ないけどとても優しいマダムだった。

車で送ってもらった後、

「メルシー」とお礼を伝え、車から降り、手を振って別れた。

 

 

 

 

階段を上って、ノートルダム門の手前まで来た。

ここからスタート。

歩き出した。

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前方に巡礼者の団体がいた。

彼らはアメリカから学校のプログラムで来たようだった。

「ハイ!どこからきたの?」ってショートカットの可愛い女の子が話しかけて来た。

Japanて答えたら「COOL!」て言ってた。

他にも、アイルランドからきた女性とも挨拶した。Japanからって答えたら

「LOVELY」って言った。

 

1人の韓国人のおじさんが英語で話しかけてくれた。

息子さんは日本の大学に留学中とのことだった。

「ルートはこっちだよ!」と教えてくれた。

 

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天気が悪いため、すぐにポンチョを取り出せる様にしていた。

別の韓国のおじさんが写真を撮ってくれたり、キャンディをくれた。

 

この韓国のおじさんは5、6人で巡礼に来られていて、日本のメーカーで数年勤務されていたことがあり親切にしてくれた。

その後も数回、おじさんとは挨拶を交わしたけど、ピレネー越え以降、一度も会うことはなかった。

 

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だんだん上り坂が急になってきた。

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上り坂になると足取りが重い。

ペースは落ちて、後から来る巡礼者たちに追い抜かされて行く。

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 この坂道をみて、心が折れそうになる。

 

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スタート地点から8kmの距離にOrissonという場所にアルベルゲ兼バルがあるらしい。

まだそこにすら到達していないのに、このしんどさ・・・ 

みんなと同じペースで歩けない。

動悸がしんどいんですけど・・・

運動不足と体力不足とトレーニング不足、全部です。

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時々、後ろを振り返る。

自分が登って来た道。標高が高くなっている。

 

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やっと8km地点のOrissonのアルベルゲに到着した。標高はまだ770m。

他の巡礼者たちは昼食用のサンドイッチを作ってもらっていたり、カフェオレをテラスで飲んでいた。

 

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今はまだ飲み物も食べものも口に入る余裕がない。

メニューにカフェオレ(1ユーロ)を見つけたので、椅子に座って休みたいのでメニューを指差し「カフェオレ」と言って注文した。

出て来たものは大きなサイズのカフェオレで「2ユーロ」と店員に強気で言われた。面倒なので2ユーロを支払いカップを受け取った。

 

カップを持つ手は呼吸の乱れで震えている。

カフェオレは3口ほどしか喉を通らず、ぼーっとして少し疲れをとって店をでた。

 

それからカフェでオーダーする時は「ペケーニョ!」(小さい)と言うようにした。

何も言わないと大きいサイズを出されて、飲みきれないのでもったいない。

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雨が降ったりやんだり。

ポンチョを着て歩くけど、風でポンチョがめくれ上がる。

とにかく前へ歩く。

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いつまで続くの・・・この道。

あと何キロ? 今、何キロ?

こんなことばかりが頭に思い浮かぶ

よけいにしんどくなるからこの頭の声を黙らせたい。

ヨガで習ったマントラを唱え始める。

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この辺りから私の左脳的思考が黙り始めた。

この上り坂をみて、半笑いになる。

こんなクレイジーな道を用意してくれていた巡礼という道、そしてピレネー山に完全に降伏するしかない。

笑いがこみ上げてくる。

左脳的な”不安”は通り越し、右脳優位な、わりと気分はHighのまま歩き続ける。

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やっとフランスとスペインの国境地点!

なんとか進んでいるみたい。

マントラも効果を発揮してるのかもしれない。

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ジュースなどを売っている車の出店があったりした。

15分だけ休憩し、ナッツや栄養バーを食べる。

となりにもフランスかイタリアからのチームの巡礼者達がいた。

私が歩き出そうとすると、女性が私のポンチョを着るのを手伝ってくれた。

 

下りになると、今までの景色とは一変し、林の中の道を歩く。 

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鳥の声が聞こえた。動画です。


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MVI 1054

 

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大好きな馬たちがいる。

でも馬にちょっかいを出すエネルギーもく、横目でみながら通り過ぎた。

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終盤の、下りに入る前あたりから、天気はやっと晴れてきた。

下り坂も長くて、果てなしなく感じた。

男性の2人組と1人の女性がいて、しばらく一緒に歩いた。

ほとんどの人は急な下り坂の方の道を選んだようで、私たちはeasyの道を選んでいた。

4人とも黙々と歩いた。

もう私は会話するエネルギーもあまりなかった。

休憩のため座り込むと、もう足がガクガクして力が入らない程になっていた。

あともうちょっと、あともうちょっとと自分を励ましながら歩いた。

ゴールが近いと先に気持ちが緩んでしまい、もう足が言うことを聞いてくれなくなるほどだった。

 

 

15時。とうとうゴールの修道院が見えて来た時は嬉しかった。

受付には、長蛇の列。

ザックを下ろし、私はしゃがみこんで列で待っていた。

ずっと懸念していた難関が終わった安堵感。

前後には韓国からきた若い女性の2人組や、イタリアからの親子などもいた。

この方たちとはベッドも近くなり、その後なんどか顔もあわせ、しゃべる機会があった。

シャワーを浴びてベッドで寝る頃には、ピレネー越えのしんどさなんてすっかり忘れていた。

明日もまた歩くだけ。

気分は達成感の方が勝っていた。

 

ロンセスバーリェス - Wikipedia

 

【アルベルゲ】

・8ユーロ(地下室の狭く暗いドミトリーだったので料金は8ユーロだった。新しい部屋は10ユーロ。到着順で部屋が決められた。)

  

当時、ピレネー越えについて書いた日記です。

ameblo.jp

スペイン巡礼:サンジャンピエドポーで1日のんびり

早朝。

窓を開けてみる。

空気がひんやり美味しい。霧も晴れてきた。

 

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同じペンションに1泊されていたドイツ人のフランクさん。

ドイツの自宅からモーター付きの自転車で巡礼にきてました。

奥様は徒歩で巡礼中で、前日にピレネー越えをされたそうです。

 

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ペンションのマダムがフランス語しか通じない為、フランス語も話せるフランクさんが通訳してくれて助かりました。

自転車での巡礼も、ずっと雨だったので服や靴、手袋が乾かないので大変そうでした。

定年退職後、やっと巡礼に来れたことが嬉しいと話してました。

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  陽が射したり曇ったり。不安定な空でした。

 

 

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 小川も流れていて、歩いているだけで癒される街でした。

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16世紀にできたシタデル(城塞)を上がって行くと見晴し台がある。

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山に囲まれているので、明日のピレネー越えで登る山はどれなのかわからなかった。

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ポニーが近づいてきた。顔をなでさせてくれた。大人しくて可愛い。

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ノートルダム

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ノートルダム教会

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バスクの布屋

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ノートルダム門のすぐ近くのお店

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この木の器と棒のセット、欲しかった。

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サンジャンピエドポーの街の地図

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鉄道駅のホーム

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個人経営のスーパーで大きなカマンベールチーズが2ユーロ以下で安かったので、外のベンチで食べた。

 

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サラミ屋

一本購入した。3ユーロ。

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油っぽくなくて美味しかった。

しばらく持ち歩けるので行動食として便利でした。 

 

ペンションの朝食。

バターが生クリームのような風味で美味しかった。

カフェオレのカップが大きくてフランスっぽい。

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明日はとうとうピレネー越え。

このピレネー越えが早く無事に終わって欲しかった。

最初に難関がくるって、順番がおかしいと思う。

だけど後で思い返せば、この最初のピレネー越えの為にみんな準備し、トレーニングをすることで、カミーノの巡礼中の怪我予防になるし、覚悟が必要ということでいいのかもしれない。